安吾忌

 安吾忌に行ってきた。会場は昨年同様神田の如水会館坂口綱男さんとは今年もあまり話せなかった。あまりにお父様とそっくりなので、面と向かうと緊張して何をしゃべっていいのかわからなくなる。
 安吾忌の内容については、追々デジタルミュージアムさいとうさんのブログで詳しく紹介されるでしょう(毎度のことながら、手抜きでスミマセン、さいとうさん)。
 ちなみに今年の安吾カルトクイズ(難しかった!)、10問中7問正解で、順位も分からないくらい低成績だったが、「あちらこちら命がけ」の色紙(シルクスクリーンか?)を頂いた。
 そういえば、神田の古書店けやき書店の佐古田さんという方が、本物の坂口安吾の直筆色紙を持ってこられていた。高いんだろうな(いまサイトで調べると94万5千円だった!)。佐古田さんと少しお話をした時、「ずいぶん昔、ちくま文庫安吾全集2巻の帯だけ売ってくれと言った者です」と言うと、「あなたでしたか!」と憶えていてくださった。当時、自宅の本棚に並んでいる文庫版全集で、第2巻だけ帯がなくてずっと気になっていたのだ(版元に問い合わせてもないといわれた)。その時は「帯だけなんて売ったことがない。差し上げます。どうぞ持っていきなさい」とのお返事。その節はありがとうございました。タダというのも申し訳ないので代わりに買ったのが『安吾探索ノート 第6号』(安吾の会)。昨年の松之山探訪を始め、色々と重宝しています。安吾ゆかりの地を訪ねるときには必携の本です。

秘境

 安吾忌でちえこさんとしゃべっていて松之山の話になった。ちえこさんは松之山がとんでもない秘境だと聞いて行くのを躊躇していると言うので、「結構都会だった。信号機はあるし郵便局もあった」と言うと、「あなたの基準はヘンだ」と言われてしまった。両方とも私の田舎にはなかったのだが、どうも信じてもらえなかったようだ。
 ホラ吹きだと思われるのも癪なので、一枚だけ田舎の写真を載っけてみる。

 故郷の銀座通りをバックに私を抱く父である。これは戦前の日本ではない。れっきとした、高度成長期を経た後の日本なのだが、日本の秘境100選にも選ばれている、由緒正しい秘境なのです。