2002-01-01から1年間の記事一覧

紙につられて

久しぶりに村上春樹を読んだ。売れに売れている『海辺のカフカ』。春樹節を久々に堪能、といきたかったが、少しがっかりした。とくに田村カフカの父親の予言(エディプスコンプレックスもどき)のところで白けてしまい、読むのを止めようかとも思った。子ど…

目からウロコ

出版不況と呼ばれて久しい。若者が本を読まなくなったといわれているが、インターネットや携帯電話を使ったeメールなど、若者を中心とした文字情報でチマタは溢れかえっている。街中でも電車の中でもみんなが携帯電話を通じて文字のやりとりに夢中になってい…

安吾論は詰まらない

これまで読んできた坂口安吾の作品に関する評論の大半は詰まらないものだった。それは、それらのほとんどが坂口安吾という著者の人物像や生き様に引きずられすぎているように思われたからだ。とくに安吾と同時代に生きていた人々が書いたものにその傾向が強…