『銀河鉄道の夜』は宮沢賢治最大の長編であり、未完成の度も、最もはなはだしいものである。文字のぬけている所もあり、錯簡も少なくないと思われる。行文の推敲のあとも著しい。いわば永遠の未完成作品というべきものである、らしい。最終稿ではすべて削ら…
石川淳のこの作品は、『新潮』(昭和21年10月号)に発表された。 昭和21年の7月の晦日、「わたし」が谷中の寺へ太宰春台の墓碑名の拓本をとりに行く途中、上野の闇市でボロとデキモノとウミとおそらくシラミとのかたまりのような少年を見かけ、その少年に山…
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