聖なる春

 うらわ美術館でやっていた「ウィーンの夢と憧れ─世紀末のグラフィック・アート」展を見にいった。ウィーン分離派の機関雑誌だったVER SACRUM(ヴェル・サクルム)の実物が飾ってあり少し興奮。「世界で最も美しい雑誌」と呼ぶ人もいるくらい美しくかつ贅沢な雑誌だ。
 その他にも、定番のクリムトやシーレはじめ色んな芸術家の手掛けたグラフィックアーツ(印刷芸術)作品が360点以上も展示されていて圧巻だった。ほとんどが多色石版か木版刷りの作品で、エッチングとグラビアがちらほらという感じ。平版のオフセット印刷物に囲まれて生活している現代人の私には、網点化も色分解もされていない特色オンリーのカラー印刷物がとても新鮮に見えた。
 そういえば、1905年の作品で解説にアルミ平版と記載されているものが1点だけあった。そんな昔からアルミ版が使われていたとは……。拡大して見たかったなあ。