妖怪豆本

 またあざとい商法に乗ってしまった。京極夏彦の『姑獲鳥の夏』上製版(ただしあじろ綴じ)。妖怪豆本全員プレゼントとはたまりませんな。それに小口に絵柄を印刷するなど凝った装丁になっているし。しかしこの小口装飾はどうやって印刷したんだろう。タコ印刷かな。それとも樹脂凸版、まさかフレキソ。う〜ん???(←タコでした)
 帯には「読みやすい書体。美しい版面」とある。本文書体は字游工房游明朝体R。最近発売されたばかりの縦組用の書体で、たしかに時代がかった小説の本文にはぴったりだ。でも個人的には京極堂シリーズなら築地系の游築五号(『陰摩羅鬼の瑕』の仮名部分の書体)の方がぴたっとはまる気がする。『陰摩羅鬼〜』はヒラギノ明朝+游築五号だけど、游明朝+游築五号だとどんな感じになるんだろう。
 このサイトで掲載しているPDFでも字游工房設計の書体、ヒラギノ明朝を使っているけど、これは本来は横組用に設計された書体らしいから、やっぱり縦組用の游明朝体が欲しいなあ。3万円だから手が出ない金額じゃないけど、私の一月分の小遣いより高い……でも游明朝で組んでみたいなあ。
 それにしても京極作品、相変わらず分厚いですな。それこそMSレイドとか使うと少しは薄く軽くなって持ち運びやすくなるんだけど。思いきってインディア紙なんか使ってくれないかな。1000ページでも束2センチに収まるよ、多分。
姑獲鳥の夏