『ペルソナ』普及版

 『PERSONA』(鬼海弘雄草思社)の普及版が出ていた。『PERSONA』は、鬼海氏が30年以上の時間をかけて浅草で撮り続けた人物写真の作品集で、初めて書店で見たときには、レンズをまっすぐに見つめる人々の存在感に圧倒され、思いきり揺さぶられた。2年前に出版された時も欲しくて欲しくてたまらなかったのだが、1万円近くもする豪華本で結局買わなかった。悲しいかな、小遣い月3万円の身ではとても手が出ない。
 今回の普及版『ぺるそな』は判型も値段もお手ごろ(2300円)になり、「これなら買える!」と喜んだのも束の間、中を見て躊躇してしまった。『PERSONA』は印刷がトリプルトーン(墨とグレー2種の3色刷り)だったのに、『ぺるそな』は1色減ってダブルトーン(墨と特色)になっていた。以前欲しくてたまらなかった理由の一つが、このモノクロ3色刷りにもあっただけに少しがっかり。でも、値段は1/4だがインキは2/3だと思い直してレジに向かった。
 いつかは『PERSONA』。その日までは『ぺるそな』で我慢我慢。といっても、こちらも十分に素晴らしい写真集です。
ぺるそな