【新釈】走れメロス 他四篇

 こないだ買った『【新釈】走れメロス 他四篇』(森見登美彦祥伝社)を読んだ。新釈「桜の森の満開の下」があるからという理由だけで買った本だし、昨年のマンガ版「桜の森〜」という前例もあったから全く期待してなかったんだけど、これが面白かった。
 「桜の森〜」自体はまあそこそこ、やっぱり安吾の方がいいや、ってな感じだったけど、表題作の新釈「走れメロス」はケッサクだった。太宰治の名作と言われている作品が、ファルス仕立ての珍妙な友情物語に見事に変身している。新釈「桜〜」よりこっちの方がよっぽど安吾っぽいではないかっ!などと思いながら一気に読んでしまった。ああ、もしあるなら、早く続編が読みたい。